

3000年前からあったといわれる日本最古の温泉、道後温泉。その本館のたたずまいは、優美にて荘厳。それもそのはず、純和風の外観は、松山城築城に携わった城大工の子孫が、手技を活かして伝統的な楼閣建築で作り上げたものだからです。
しかし、建物の魅力はそれだけではありません。建てられた明治時代の西洋化の流れを上手に取り入れており、内部の梁や天井の造りなどは西洋の建築手法を取り入れています。さらに、本館屋上にある『振鷺閣(しんろかく)』の赤いきやまんでできた障子は、建設当時、わざわざドイツに製作を依頼したものなのだとか。100年以上たった今でも、何枚かのガラスは当時のままの物が使われているそうです。
もちろん、お湯にもこだわりがあります。こちらの本館をふくめ、道後にあるホテル・旅館などにも配給しているお湯は、道後各地に点在するさまざまな温度の源泉を浴槽に届くまで丁度よい43度になるようにブレンドしているとのこと。源泉掛け流しの泉質はアルカリ性単純温泉のやさしいお湯で、すべすべの肌になります。
本館内に浴場は、1階の「神の湯」と2階の「霊の湯」があり、それぞれの料金システムによって、入浴できる浴場とサービスが異なります。ぜひともここは、ゆったりとした時間を体感できる、3階の「霊の湯 3階個室」を借りることをおすすめいたします。眼下に温泉街を眺めつつ、浴衣と坊っちゃん団子、輪島塗の高茶台で提供されるお茶を愉しみながら、しばし明治のロマンを感じてみてはいかがでしょう。3階の奥の間にはこの温泉を愛した夏目漱石を偲んで「坊っちゃんの間」の展示もあり、当時の様子を伺うことができます。また、日本で唯一の皇室専用浴室「又新殿」は必見。建築当時明治32年のままの豪華絢爛な銀製の襖絵や、繊細な細工を施した欄間など、専門ガイドに解説していただきながら、霊の湯のチケットで入られた方のみ見学することができます。(又新殿の観覧のみも可能:有料)